AIでデザインして効果を上げる方法

AIでデザインして効果を上げる方法

生成AIの広告デザインが劇的に変わる「6つの禁止プロンプト」

 

ポスターやフライヤー、店頭POPなどを見ていて、「これ、生成AIでつくったのかな」と感じることはないでしょうか。「生成AIだね?」と見透かされた瞬間、広告の効き目は薄れてしまいます。いかにも生成AIが作成したようなデザインには、共通する「クセ」が存在するためです。(※上記画像は、もちろん架空のものです)

 

なぜ「AIっぽい」デザインは敬遠されるのか?

生成AIによるデザインには、以下のような特徴が見られがちです。

* 見る人の視線をZ型やF型に誘導する工夫が少ない。
* 光り輝く文字や金色の飾り、背景に渦巻く光や模様が多用される。
* 謎のアイコンや、妙にリアルなキャラクターが配置される。
* 画面いっぱいに要素が詰め込まれ、B級映画のポスターのように豪華に見えるが、肝心なことが伝わらない。

 

実際、2026年に日本インタラクティブ広告協会が発表した調査によると、生成AIを使った広告に対し、「不自然さ」や「信頼性への不安」など否定的な印象を挙げた人が合わせて57.6%に上りました。しかし、条件が整えばAIを活用してよいと答える人も半数を超えており、AIの利用そのものが嫌われているわけではありません。

 

AIデザインにありがちな「3つの問題点」

これまで自分ではデザインできなかった人が、数分で見栄えのするフライヤーをつくれる生成AIは非常に効率的です。しかし、目的を考慮せずにAIの出力をそのまま「正解」としてしまうと、以下のような問題が発生します。

1. 要素の足しすぎ
* 地域の特産品を紹介するだけなのに、県の形の地図が入ってしまう
* 商品と関係のないキャラクターや、意味のわからない小物が置かれる
* 余白があると、星や丸、アイコンなどが追加され、見ている人に必要な情報ではなく画面を埋めるための要素が増えていく

2.メリハリのないレイアウト
* キャッチコピー、サブキャッチ、商品名、価格のすべてが大きく、太く、派手にされる
* 囲み線や吹き出しがたくさんあり、どこから見ればいいのかわからない
* 目線をどこへ導くかが重要であるにもかかわらず、すべてを目立たせた結果、何も目立たなくなってしまう

3. 文字と色のやりすぎ
* 袋文字、影付き文字、光っている文字、筆文字などが混在し、不要な英語が添えられる
* 文章が不自然なところで改行され、すべてが中央揃えになる
* 原色が何色も使われ、背景にまでグラデーションや光彩が使われる

 

もともと情報があふれている店頭やSNSに、このような刺激を詰め込んでも受け入れてもらうことはできません。問題は情報の量ではなく、「何を一番伝えたいのか」という優先順位がわからないことにあります。

 

原因は「ふんわりした指示」にある

こうした問題が起こる原因は、AIに対して「インパクトのある目立つ広告にして」「高級感を出して」といった曖昧な頼み方をすることにあります。

「高級感」とは、必ずしも金色に光らせることではありません。「控えめな色と、大胆な余白」であったり、「上質な和紙のような落ち着いた質感」であったりするかもしれません。「目立つ」ということも同様で、全部を派手にするのではなく、たった1行のキャッチコピーを目立たせる方法もあります。

ここで思い出してほしいのが、昔の八百屋さんの手書きPOPです。「新玉ねぎ。今朝、入荷」という言葉と、大きく書かれた値段。装飾がほとんどなくても、買い物客には必要なことが一瞬で伝わります。店頭POPの目的は、デザインを鑑賞してもらうことではなく、商品に気づき、価値を理解し、買ってもらうことです。

AIで広告表現をつくる際は、まず「誰に見せるのか」「何を一番伝えるのか」「どう感じたら行動を起こしてもらえるのか」を決める必要があります。「近所の買い物客に、今朝入荷した新鮮さを伝え、商品を手に取ってもらう」といった明確な指示と、「新玉ねぎ」「今朝入荷」「価格」という必須要素だけを定め、それ以外は原則として省くべきです。

 


AIの広告デザインが変わる「6つの禁止プロンプト」

そこでおすすめなのが、やってほしくないことを先回りして伝える「禁止プロンプト」です。以下のプロンプトを必要に応じてコピーし、画像生成の指示に追加してください。

1.過剰な装飾を禁止する
* 光沢、グラデーション、立体効果、発光、キラキラした装飾、無意味な模様や飾り枠を入れないでください。

2.不要なアイテム・キャラクターを禁止する
* 指示していない人物、キャラクター、イラスト、アイコン、小物などを勝手に追加しないでください。
* 意味のない装飾的なオブジェクトも不要です。

3.文字・情報の勝手な追加を禁止する
* 指定したキャッチコピー、ボディコピー以外の文字、英語、数字、記号、架空のロゴ、説明文などを追加しないでください。
* 意味不明なアルファベットの羅列も禁止します。

4.ごちゃついたレイアウトを禁止する
* 画面を要素で埋め尽くさず、適切な余白を確保してください。
* 要素の重なり、過密な配置、不必要な吹き出しや囲み、複雑な構図は避けてください。

5.過剰な色使い・演出を禁止する
* 原色の多用、強すぎるコントラスト、派手な背景、過剰な陰影、劇画的な演出、安っぽいチラシのような色使いを避けてください。

6.AI特有の不自然なデザインを禁止する
* 未来的・SF的な演出、サイバー風の光線、不要な幾何学模様、不自然な遠近感、過剰にリアルな質感など、AI生成画像にありがちな表現を使わないでください。

●さらに効果を高めるための基本指示

上記の禁止プロンプトに加え、以下の指示を添えることで意図がさらに明確になります。

「広告デザイナーが制作したような、洗練されたシンプルなデザインにしてください。
情報の優先順位を明確にし、余白を大胆に使い、伝えたいメッセージが一瞬で理解できる構成にしてください。
装飾によって目立たせるのではなく、構図・配色・文字の大小によって注目を集めてください。
最も重要なのは、指定していない要素を勝手に追加しないことと、余白を無理に埋めないことです。」

また、「この余白の使い方、この文字の強弱を参考に」と好きな広告やPOPの見本を添え、今回の制作で参照する方向性を示すことも有効です。

最後に:必ず人間の目で確認を

これらはすべての広告に一律に適用するルールではなく、商品やターゲット、デザインの目的に応じて調整してください。

また、生成されたデザインの文字や数字、価格、商品写真に間違いがないか、最後は必ず人間が確認する必要があります。デザインがキレイでも、価格が間違っていては困るからです。

AIによって見栄えのするデザインは簡単につくれるようになりました。しかし、売れるデザインは「足して立派にする」ことではなく、「引き算で伝わるようにする」ことが大切です。ぜひ、ご自身の広告やポスター、フライヤー、POP制作にお試しください。


 

 

 

製造業マーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。

本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。 お気づきのことやご質問、ご要望などがありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。

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