バンド名が自由すぎる件

バンド名が自由すぎる件

ずいぶん前に、「ゲスの極み乙女」というバンド名を聞きまして、「なんだそりゃ」と思いました。

 

ところが、楽曲を聞きますと、これがゲスでもなんでもない。
すごくいい曲なんですね。

そうなると思うことは、(せっかくいい曲をつくり、歌っているのに、バンド名がアレだね)

しかし、逆に言えば、このバンド名のインパクトで覚えてもらうことができ、一度でも聞けば才能があることもわかる
だから、余計に印象に残る、忘れない

となると、狙ったものかどうかはわかりませんが、戦略的であると気づきます。
(その後、このバンドは自粛を余儀なくされたりしますが、個人的には楽曲の良さとは関係のないことかと思います。)

 

さて、「バンド名」という点でみますと、他にもヘンなネーミングのバンドが出てきていることに気づかされます。

official髭男dism

ヤバイTシャツ屋さん

壊れかけのテープレコーダー

如何様詐欺師は夜うごく

THE★米騒動

溺れたエビの検死報告書

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じつは、バンド名で違和感を覚えたのははじめてではありません。

かつても、次のようなネーミングがありました。

ポルノグラフィティ

ASIAN KUNG-FU GENERATION

SEKAI NO OWARI

そして、私の敬愛する椎名林檎嬢の

東京事変

 

こういう、いわばトリッキーなネーミングが成立するのは、楽曲がいいからであって、それでこそ市民権を得られます。

そうしてみれば、昔にもヘンなバンド名はありました。

「いかすバンド天国」が放映され、バンドブームといわれた頃です。

人間椅子

カブキロックス

たま

突撃ダンスホール

 

ご記憶の人もいるでしょう。

たしかに、英語でダララっと綴られた、どこにもあるようなバンド名よりは記憶、印象に残ります。
そういう学習もあっての、ヘンなバンド名でしょうか。

 

 

そのほかにも、次のような作品(?)があります。

禁断の多数決

カラスは真っ白

超飛行少年

Halo at 四畳半

アップル斎藤と愉快なヘラクレスたち

浮遊する猫

水中、それは苦しい

神様はサイコロを振らない

水槽のクジラ

なかには文学的に響くネーミングもありますね。

 

快速東京

空きっ腹に酒

団地妻力

宇宙コンビニ

打首獄門同好会

まぜたらうまい

ペロペロしてやりたいわズ

忘れらんねえよ

住所不定無職

いやいや、やはり勢いでつけたものか。

 

では、こうしたバンド名がつけられる背景には何があるのでしょうか。

ひとつには、芸人との境目が曖昧になっている。

とにかく、ウケたい、有名になりたい、というモチベーションでは芸人と同じ。

野心のある青年が目指す対象は時代によって変わりますが、いまは芸人と音楽とが隣の選択肢として並んでいるのではないかと思いました。

 

ひとつには、大人が反対しない

最近の日本映画がおもしろくなってきた要因には、古い大人が退場したことがあります。

音楽界にも「そんなのはダメだ」と、自分の価値観を押し付けてくる老害が消える、あるいは新世代が指導層に来ることで、歯止めがなくなっている。

 

ひとつには、ライバルが多すぎて、とにかくまずは目立たなくてはいけない

「なんだこれ?」とサムネイルを見てもらい、YouTubeを再生して、発見してもらいたい。
そして、楽曲が良ければギャップ萌えが起き、ファンができるかもしれない。

 

とにかく、若者が野心を持って挑戦するのはよいことですね。

ただし、冒頭にも述べたように、音楽性のあることが条件です。

それと、どちらがバンド名で曲タイトルか、わかるようにしてもらえるとうれしいです。

 

おまけ・その他のバンド名

0.8秒と衝撃

夜の本気ダンス

躍ってばかりの国

未完成vs新世界

八十八ヶ所巡礼

君がそうなら僕はこう

最終少女ひかさ

それでも世界が続くなら

 

 

 

製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。

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