自社のキーワードを特定する方法

自社のキーワードを特定する方法

キーワードが、売上のサイズを決める。

「キーワード」が大切ということはご存知だと思いますが、「それ、たとえばどういうこと?」とか、「じゃ、どうやってキーワードを見つけたらいい?」という疑問をお持ちの方も多いはず。

本記事は、そうした質問にきっちりと回答し、自分のアタマも整理する内容です。

 

■キーワードの選定が大切な理由

ユーザーが検索をするキーワードを特定して企業サイトやLPをつくる、あるいはSEO対策をする、そしてキャッチコピーを書く。

企業がユーザーとコミュニケーションする上で、いまほどキーワードが重みを持つ時代はありません。

あなたの制作したウェブサイトに見込み客が流入するとき、その7〜8割は検索結果からの訪問とされています。

送信したメルマガが開封されるのも、タイトルに載せられたキーワードが刺さるから。

 

インターネット上だけでなく、紙のカタログや小冊子などを制作するときも、キャッチコピーや説明文に磨き込まれたキーワードを使えば、とうぜん効果が高まるわけです。

あるいは、有料のリスティング広告を出稿する機会もあるかと思いますが、そのときもキーワードが肝心です。

おカネを払うのだから、請け負ったネット広告業者が考えてくれるだろう、というのは誤りです。

思い切って月額10万円、いいえ20万円を使ったとしても、広告業者の取り分は3万円〜5万円。

そのくらいの料金で、有能だけれど門外漢の担当者が真剣にキーワードをつきとめてはくれないのです。

彼らがするのは、汎用ツールを使って機械的に200個のキーワードをリストアップするだけなのです。

では、ネットに詳しいわけではない会社の「中の人(あなた?)」が、どうやってキーワードを洗い出せばいいのか

その手順項目を次に挙げ、一つずつ説明していきます。

 


 

■キーワードをつきとめる手順項目

1 ユーザーの悩み、課題を言葉にする

2 関連キーワードは何があるかを調べる

3 本気の検索キーワードをつきとめる

4 競合の狙っているキーワードを知る

5 アクセス解析から想定外のキーワードを拾う

6 ユーザーの使う言葉を意識する

7 マーケティング調査からヒントを得る

8 ネーミング、商標もリストアップする

9 ロングテールのキーワードも拾っておく

10  検索ボリュームのサイズをチェックする

11  YMYLとE-A-Tへの対応を意識する

 


 

1 ユーザーの悩み、課題を言葉にする

キーワードをピックアップする前に、ターゲットを特定したり、絞り込んでおく必要があります。

ターゲットの属性としては、もっとも成約につながる属性はどのような人・会社なのかを想定します。

このとき、属性よりも、見込み客として抱えている課題や悩みのカタチがどのようなものであるかが重要です

課題のキーワードは、具体的に言えば、「コストダウン」「歩留り+アップ」「格安+ペットボトル」などです。

下の図で説明をしますと、「ウチができること・提供できる価値」と「お客様のニーズ」が重なったところから、「競合もやっていること・言っていること」を引いた部分が、ウチが選ぶべきキーワードになります

 

そして、顕在ニーズと潜在ニーズとがあることも考慮が必要です。

見込み客自身が、まだ意識はしていないけれど、「ここを解決したいと考えていたが、結局はここが課題だ」など、先ざきにたどり着くお悩みも提示しておきたいところです。

また、あなたの属性があまりにもユーザーとかけ離れている場合は、Yahoo!知恵袋などのような質問サイトで、見込み客がどのようなことで悩んでいるかを取材するとよいでしょう。

 

2 関連キーワードは何があるかを調べる

典型的なキーワードをいくつか思いついたけれど、そこで思考が止まってしまったときなどは、ウェブのツールが役に立ちます。

思いついたキーワードと一緒に検索されることが多い関連キーワードの候補リストを入手できるサイトサービスがいくつかありますので、ご参考にしてください。

連想類義語辞典

関連キーワード取得ツール

goodkeyword

共起語検索

 

候補リストを見たときに、「意味は似ているけれど言い方が違うキーワード」は別物として扱うべきかどうか、というご質問をよく受けます。

これは、もう気にする必要がなくなってきました。

というのも、少々の違いはGoogleの検索エンジンは同じもの、近いものだと理解できるようになっているからです。

 

3 本気の検索キーワードをつきとめる

キーワードには、検索する人にとって目的別の性質があります。

(1)調べたい  何かの方法やコツ、情報を調べたいときの検索です。これはあまり購買行動につながるとはいえません。しかし、ある商品の購入が問題の解決につながるなら別です。

(2)買いたい  何かの商品を購入したいときの検索です。とうぜん、いちばん購入に結びつきやすい検索であるといえます。「+通販」や「+格安」などのキーワードが一緒に入力されたりします。

(3)探したい、訪れたい  特定のポータルサイトなどを訪問するためにする検索です。たとえば、amazonや楽天に行きたいときに検索するような場合です。探しているものが商品であれば、これも購買へと発展する可能性があります。

こうしたユーザーの検索心理を理解した上で、見込み客の課題を解決する方向のキーワード設定とは何かを考えてください。それは「修理」なのか、「改善」「向上」なのか、ですね。

 

たとえば、ラーメンの袋麺を製造・販売している食品メーカーがあったとします。

とうぜん、キーワードとして「ラーメン」が候補に上がるのですが、「ラーメン」を検索する人には、「袋麺を買いたい人」もいれば、「カップ麺を買いたい人」もいますし、「袋麺の美味しいつくり方を知りたい人」や「近所の美味いラーメン店を探している人」もいるわけです。

そうなると、単独のビッグワードである「ラーメン」のみにこだわることは意味がないと考えられますね。

あるいは、建材の壁紙を製造しているメーカーさんの場合。

やはり「壁紙」というキーワードを追いかけたいのですが、じつはパソコンで検索される「壁紙」のほとんどは、パソコン画面のデスクトップ用の壁紙写真を探しているユーザーなのです。

 

また、買い物客の検索ニーズを知るのには、amazonに設置されている検索ボックスが利用できます。

このボックスに「商品カテゴリー名」(ミネラルウォーター、など)を入力したとき、自然に表示される“サジェスト・ワード”は、買い物客が2語目に入力することの多いキーワード例です。

ここに、買い物客の希望の一端が見えることがあるのです。

 

4 競合の狙っているキーワードを知る

競合メーカー、とくにそこそこ予算を持っている会社、マーケティングにチカラを入れている会社は参考になります。

サイトサービスである、META SEO inspectorや、Similar Webなどを利用すると、そのサイトへユーザーがどんなキーワードで流入しているのか、アクセス数はどれくらいなのかがわかります。

また、最近は重みを持たなくなっていますが、ウェブサイト内部の記述ソースを見ると、meta name、meta propertyなどに、そのサイト制作者が狙っているキーワードを発見することができます

 

また、どこのウェブサイトを参考にすればいいかは、あなたの狙っているキーワードで検索した結果ページで、まさに上位に表示される会社だといえます。

そうしたウェブサイトの、タイトルや見出し、本文を読んでみてください。

上位表示される理由、つまりキーワードが、そこに含まれているはずなのです

キーワードの参考にするのは、ウェブサイトに限りません。

それらの会社の、紙のカタログや広告なども見ておくようにしましょう

 

5 アクセス解析から想定外のキーワードを拾う

あなたの企業サイトが置かれているレンタルサーバーは、基本的なアクセス解析機能を提供しているでしょう

アクセス解析機能とは、「先月は何人が訪れた、前年同月と比較して増えた、減った」がデータでわかるサービスです。

そして、同時に「サイト訪問者がどんなキーワードで検索してきてくれたのか」も、一覧表で見ることができます

ここに、想定外のキーワードを見出すことができるのです。

 

弓削自身の事例で恐縮ですが、私がアメブロでブログを更新していた当時も、やはりアクセス解析をたまに見ていました。

すると、膨大な記事数のなかで、「展示会」についての記事はほんの10数記事(1%くらい)しかなかったのにもかかわらず、「検索キーワード」を見ると、「展示会+集客」など「展示会」関連のキーワードが20%もあるのです

これを見て、私は2つのことを考えました。

(もっと「展示会」の記事を書けば、アクセス数が伸びるのではないか)
(展示会活用の企画を出版社に持ち込めば本になるのではないか)

弓削はのちに「顧客は展示会で見つけなさい」という本を出版しますが、そのきっかけはじつはここだったのです。

 

●ここまで書きまして、長くなってしまいましたので、後半は次回に譲りたいと思います。

 

 

製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。

 

ウェブ活用ノウハウ 記事 目次ページ

本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。 お気づきのことやご質問、ご要望などがありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。

ものづくりコラムcolumn