展示会活用 復活元年へ

展示会活用 復活元年へ

そろそろ、展示会活用が多くの会社で前向きに検討されはじめているようです。

 

とはいうものの、最近は展示会出展料が一部で高騰しています。本記事では出展料金がどれくらいかかるのかの概算(あくまでも目安)をご説明したいと思います。
ではまず、展示会出展のときに発生する料金項目を書き出してみます。

まず、「出展料」とは出展するために場所を借りる家賃です。

この料金は、1コマ(3×3メートル) で下記のようなところでしょうか。

▶︎専門展示会……45万円〜30万円
▶︎地域で開催される総合展示会……25万円〜15万円
▶︎自治体や行政開催の展示会……15万円〜5万円

この部分の料金は、出展するなら節約はできない部分です。

 

●小間/コマのサイズについて

1コマのサイズは多くの場合、3×3メートルですが、3(間口)×2.7(奥行き)メートルもあります。
共同出展の場合は、間口が1メートル〜2メートル、2.7メートル、などでしょうか。
RX Japan社(旧リード・エキシビション)では3×3メートルを0.5小間と設定していますので、うっかり「1コマで」と発注すると6×3メートルのスペースを借りることになります。

 

「基礎コマ料金」とは、主催者が用意するオプションで、最低限必要な壁やカーペット、展示台、テーブル・椅子、受付台、社名表示などが含まれたセットのことです。

自社で装飾ができるなら、出展料と基礎コマ料金を払うだけで“不動産料金”は完結します。
あとはタペストリーやカタログにかかる料金だけです。

▶︎基礎コマ料金 35万円(專門展)〜8万円(その他)

 

自社で装飾できない場合は、設営業者さんに発注するルートになります。

「設営料金」システムブース木工ブースで価格が異なります。
システムブースは、ドイツ製のオクタノルムという規格機材を使ってブースを組み立てるものです。基礎コマをキレイに仕上げてくれる感じです。
(↓ タテに走っているシルバーのラインがアルミの支柱なんですね。)

←システムブースの例

 

木工ブースはベニヤ板や杉材で壁と柱を建て込み、表面には印刷紙を貼り込んで店頭のような空間をつくってもらえます。棚の位置や壁の湾曲など、自由に設計・施工できます。
(↓ でも、1コマサイズではそのよさが出づらいかもしれません。)

←木工ブースの例

 

1コマを設営業者に依頼したときの価格を書きますが、あくまで目安です。どんなふうにデザイン、設計して立て込むかによって幅が出ますし、各業者さんによってプライスも変わります。

▶︎システムブース施工費 12万円〜70万円
▶︎木工ブース施工費 40万円〜80万円

2コマなら、上記の1.5倍などでしょうか。これも、業者さんによって考え方が異なるようです。

 

「掲示ツール代」とは、タペストリーやのぼり、テーブル腰巻き、ポスターなどのことです。

▶︎デザインを外注すると、1点あたり3〜6万円くらいかかるでしょう。

印刷費は、ネット印刷なら安くできます。私が定番で発注しているタペストリーは、左右1.8メートルで天地が1.5メートルのもの。

▶︎印刷費は1万4千円くらいです。

制作するツールのタイプとサイズが決まったら、5、6ヵ所の印刷サイトの価格をチェックして発注しましょう。サイトによって得意な(つまり安い)タイプが異なりますので。

 

デザインに関しては、旧知のデザイナーやプロダクションがなければ(あっても)、クラウドソーシングで発注してみましょう。場合によっては半額以下でデザイン制作できます。商品カタログや会社案内などの「印刷物料金」全般に関しても同様です。

 

最近は、基礎コマに自家製ブースをつくることがほとんどですが、設営業者さんに発注する場合は、過去の作品を見せてもらい、いくらかかったかを聞き取り、可能なら合い見積もりをとって決めていました。

ただ、いまやちゃんとしたブースをつくる業者さんは手一杯なので、初めて頼む会社のアイミツ依頼は断るでしょうね。
でも、価格の高い業者さんがいいブースを提案できるとも限らないので、悩ましいところです。
コンサルティング無料や無料アドバイスをうたうところもありますが、どこまでのクオリティかは未知数です。

 

自社で真剣に出すなら、展示会を視察して(テーマ違いでもいいので)、基礎コマに社内で装飾して出展し、1度目は失敗したとしても、その次くらいはいい出展ができるようになると思います、あなたが真剣なら。

 

展示会出展には、マーケティングのあらゆる要素が詰まっていますから、社内スタッフで遂行できれば、それは大きな財産になります。ぜひ、がんばってみてください。

 

 

 

製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。

本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。 お気づきのことやご質問、ご要望などがありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。

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