MOT(技術経営)を意識する

MOT(技術経営)を意識する

MOT的マーケティングとは?

 

近年、MBAと並んでMOTというキーワードが注目されるようになっています。

MOTとは、マネジメント・オブ・テクノロジー。技術経営と翻訳されます。

意味としては、技術開発を事業に結びつけ、商品化や社会実装を通じて収益を生み出していく経営手法や学問分野を指します。
つまり、ものづくり企業が自社技術を活かした経営をどう推進していくかということです。

私の大学院での授業を受けていた院生らが取得するのもMOT(修士号)となります。

 

言葉ではカンタンですが、他業種と比べると大きなリスクをはらんでいます。

ヒット商品を選んで販売すればいい流通や、あまり原価コストがかからないITビジネスなどに比べると、売れるアテのない技術開発や生産設備への投資、そして在庫を抱える覚悟も必要なのです。

たまごっちの一次ブームなどでは、大ヒットしていながら生産が追いつかないので「売り惜しみしている」と濡れ衣を着せられ、生産が追いついて市場投入したらもうブームは去っていて大量在庫を抱えて大赤字、という顛末でした。

MOT的なマーケティングの流れを図にしました。

●まず、基礎研究も含めたいろいろな研究テーマを抱えています。
しかし、将来どの技術が商品化できるのか不確実です。

●そのなかから商品開発のテーマとして有望な技術を取り出し、商品化します。
しかし、それで売れるのかどうかはまったく不透明です。

●やがて、仕様やプロダクトデザイン、商標などを確定し、ようやく商品化へ。
幸運にも市場で受け入れられ、「収益化」する。

●すると、それを見た近傍企業が参入してきます。ここに至り、「産業化」するのです。ふうっ(汗)

 

さて、今度はやや具体的にして、A社の例を見てみましょう。

●A社はバルブの技術を持っており、液体流量のコントロールなどが研究テーマです。

●今年度は、ナノバブル発生技術を商品化できないかと挑戦。

●マイクロバブルシャワーヘッドを開発し、パッケージ商品に仕立てます。

●そして、幸運にも市場に受け入れられ、収益化を実現。

●様子を見ていた競合企業も、類似機能を持った商品を投入して市場を形成。産業が立ち上がりました。

 

これは一例に過ぎませんが、ものづくり企業の苦悩の一端が描かれているのではないかと思います。

 

あなたも、リスクをとって、明日の社会を変革する商品開発へと突き進んでいきましょう! (無責任)

 

 

 

 

製造業マーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。

本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。 お気づきのことやご質問、ご要望などがありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。

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