掲載されるプレスリリース3
プレスリリースを紹介してもらうコツについて書いている記事の第3回目です。
メディアによって紹介ネタのタイプは変わる
プレスリリースに書くネタも大切ですが、媒体の性質によって取り上げられるネタのタイプは変わります。
たとえば、テレビ番組。
テレビ東京系WBS(ワールド・ビジネス・サテライト)の人気コーナー、「トレンドたまご」をイメージしてください。
やはりテレビ的というべきか、ビジュアル化でき、なおかつ一見して理解できる、といったシンプルさが求められます。
NHKの朝のニュース「おはよう日本」のなかの「まちかど情報室」、民放各局の午前・午後のワイドショー、夕方のニュース、「王様のブランチ」なども同様です。
たとえば、東京スカイツリーが完成した頃はその人気に便乗し、近所の飲食店が出している「スカイツリーどんぶり」みたいなメニューが取り上げられていました。
正直なところ、ずいぶん雑な仕上がりのメニューでも数番組で紹介されていたりしました。
ということですので、あなたの商品がビジュアル化されやすい、つまり絵になるかということは重要です。
もしもテレビ的に理解しにくく、しかしあきらめたくない場合、その商品の使用によって発生する状況や成果を映像化、または数値データ化(グラフ化)するとよいでしょう。
見えづらい商品のひとつといえるIT系システムでは、そのインターフェイス画面や、サービスによって変わる人の動きを映像化したりすることになります。
あるいは、専門家の評価コメントや、イベント・展示会での模様、来場者の反応などを映像コンテンツとして残し、提示していくことを心がけるとよいでしょう。
一方、カタチのある化粧品などで「肌や髪を健康で美しくする」とうたっていても、結果の即効性をその場で提示できるものではありません。
ですので、一定期間のビフォア・アフターを顕微鏡撮影する、大学教授の証言をもらうなどの補強を考えるとよいでしょう。
こうしたデータは、もちろん説得材料としてカタログにも掲載、再利用できるものですね。
ぜひ乗りたい黄金のロードマップ
一般にテレビ番組は、雑誌や新聞、場合によっては他のテレビ番組が取り上げ済みの、間違いのない情報を好む傾向があります。
これに対して、新聞や雑誌は過去に露出の少ない、新鮮な情報、コアな情報を好んで取り上げる傾向があります。
専門誌、業界紙となりますと、この傾向はさらに強くなります。
そして専門誌・業界紙は、ニッチな情報であっても取り上げてもらう際の敷居は高くありません。
そこで、あなたの会社は、まず専門誌や業界紙にプレスリリースを送って取り上げてもらって、それを一般紙誌に普遍的な切り口で載せてもらい、それを見たテレビ番組に登場してブレイクする、というロードマップを描くことができるのです。
そうそう、うまくはいきませんが、理想のルートとして意識してほしいと思います。
企画のプロがウリを見つけてくれる!?
そして、じつはこのときの取り上げてもらう切り口が非常に重要です。
一般新聞や雑誌、とくにテレビ局は、あなたの商品や技術の価値を、一瞬で視聴者に伝えるためにはどんな紹介の仕方をすればよいかを考えます。
その結果、紹介された切り口のフレーズは、おそらく商品を知り尽くしたあなたにとっては不満の残るものになることが多いといえます。
ところが、この安直な紹介の切り口がありがたいものなのです。
多くの企業が自社商品のウリに気づかない、ズレているという話をいつもしているのですが、テレビマンが発想した切り口というものは、まさにあなたの商品の持つ価値を伝える上での一面の真実なのです。
それを不満だからと切り捨ててしまうのと、(企画のできる第三者から見ると、ウチの商品はそう見えるのか)と参考にするのとでは、その後のお客様とのコミュニケーションに絶大な差がついていくと申し上げておきたいと思います。
プレスリリースの切り口を発想する7つのヒント
1□どんな切り口にしたら、リリースに“価値”が見えるかを考える
2□掲載・紹介してもらいたい媒体のリストをつくっておく
3□狙う新聞、雑誌、番組(コーナー)をよく見て研究する
(一般の記事・欄、放送番組のパターンを見ると採用の傾向がわかる)
4□新発売でなければ、実績をいえばいい
5□テレビなら映像が撮れること、絵になることが求められる
6□数字で表現すると伝わりやすい
7□[業界紙誌→一般紙誌→ラジオ→テレビ→全国版]の黄金リレーを狙う
当てはめてみよう! プレスリリースらしいフレーズ集
なぜ〜が人気なのか?
〜が意外と売れている
〜する人が増えている
〜がいまや常識
〜の売上(来場者)が○○を突破
〜が00年連続ランク入り
〜が20年ぶりに復活
変わった〇〇が注目されている!
〜に行列ができるワケ
高齢者はいま〜が常識
今年も〜が旬の季節
〜がエコに役立っている
〜で少子化を解消
〜が地域の絆を強くする
〇〇業界で最近こんな変わったことが…
〜をつづけて何周年、工場操業00周年
〜のイベントが00年目
〜(そうじ)をしていたら〜(入社希望者増)になった、地方創生に成功した
次回は、ネーミングと物語をプレスリリースに生かす方法について書いていきたいと思います。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
ものづくりコラムcolumn
- 2024/10/11
- リスティング広告のキャッチコピーはこう書く
- 2024/09/10
- 作曲AIの実力とは??
- 2024/09/09
- 展示会セミナー復調!!
- 2024/08/25
- 新進? 変化球の生成AI
- 2024/08/23
- 弓削になりすますことができる?