動画作成するなら「視聴角度」を意識する
近年、ビジネスで動画を活用する会社や個人が増えています。
それでも、“発信”ができているボリュームは、利用者のほんの数パーセント。
2020年春から5Gサービスが徐々にはじまり、携帯キャリアも対応へと動いています。
動画の視聴環境はますます快適になり、再生時間は増えることになるでしょう。
しかし、観やすくなったことによって動画配信者が増えるかというと、そうでもありません。
やはり動画制作はハードルが高いのです。
私自身も、もっと動画配信をしたほうが良いことはわかっているのですが、なかなか体勢を構築できません。
その河を超えた人のみが、成果を得られるのですね。
ところで、動画を作成しても、その視聴環境はさまざまです。
実は、それらの視聴態度に合わせたつくりというものが求められる、というか効果を分かつのだと思います。
たとえば、テレビCM。
これはテレビ視聴時の“邪魔者”であり、典型的なプッシュ情報ですから、真剣に観ようという人はほとんどいません。
となると、そのつくりはインパクトがあり、3Bなどのビジュアルがあり、シンプルなメッセージであることが肝要です。
※3B=美女、動物、赤ちゃんなどのテッパン人気ビジュアルのこと
いきおい、大手企業はタレントパワーに頼る作品をつくりがちになります。
長さは15秒で、視聴角度はマイナス40度です。(前のめりの逆です)
これに次ぐのが、展示会ブースで観る動画。
展示会来場者は情報を探して歩いてはいますが、無関係な情報に時間は取られたくない。
ですので、懐疑的に観ます。
情報を要領よく、わかりやすく伝える工夫が必要です。
長さは1分前後で、視聴角度はマイナス10度です。(ちょっとだけ引いています)
続いては、ウェブで視聴される動画。
企業サイトやYouTubeで再生される動画です。
これは、ページの性質やタイトル、サムネールで選んでボタンを押していますから、一応、能動的な視聴です。
期待通りの内容であれば離脱はされないはずではあります。
長さは2、3分〜8分ていど。視聴角度はプラス10度です。(やや食いつき気味)
そして最後はグッドデザイン賞の審査会場で流される動画。
対象は審査員の方がたですが、審査するのは仕事ですので、ちゃんと観てくれます。
工業デザインや住宅、システムなどの補助説明として制作されますので、テーマやコンセプトを動画ならではのわかりやすさで伝えることが求められます。
対話審査ができないカテゴリーでは、かなり重要になってきます。
長さは1分ほどで、視聴角度はプラス30度です。(けっこう前のめりです)
以上は、グッドデザイン賞の受賞支援をするなかで、動画制作会社の人と話していて気づかされたことです。
制作側は、シンプルなメッセージしか伝わらない、短い言葉が必要(!)、と信じています。
たしかにPR動画はたいがいそうです。
それでも、場面によって、視聴態度によって、求められるものも変わってくるということが実際なのですね。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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