ブランディングは経営の根っこです
昨日は、オンライン展示会の出展術を「オンライン」でお話しさせていただきました。
ウェビナーですので、ご参加者の顔は見えないのですが、一方的にお話しするのにも慣れてきましたね。
ラジオ・パーソナリティの気分です(ウソ)。
オンライン展示会で強い企業とは?
さて、オンライン展示会では、じつは有名企業が強い傾向があります。
有名企業といっても、トヨタ、パナソニックのような大手企業のことではありません。
たとえば、精密加工機ならディスコとか、医療用メスならマニーのように、業界内では定評のあるニッチな有名企業です。
オンライン展示会では「会場を見渡しながらそぞろ歩き、目についたブースを訪れる」ということにはなりませんので、想起した企業名やお目当てのブースを直ちに訪問する、という行動になりやすいからです。
それをどうひっくり返すかというテクニックを、主にお話しさせていただいたのが昨日のセミナーです。
リアルな展示会なら、大手企業が予算をかけて巨大な出展コマを目抜き通りに出してきますので、いやでも目立ってしまいます。
ところが、オンライン展示会では、どんな大手企業も出展者ページは1ページであり、バーチャルブースの面積や装飾は一律であることがほとんど。
だからこそ、逆転のしようがあるということなのですね。
しかし逆に、ウチの会社が「定評のある企業」となるために日頃からできるものとしてはブランディングがある、ということになります。
一つひとつの「商品」に属するブランド戦略は、目に見える部分も多く、むずかしくはありません。
しかし、会社全体に関わるブランディングは、やることも多く、一筋縄ではいきません。
世の中のブランディング指南本を手にとっても、ブランディングのためのブランディング、という趣きの本が多く、抽象的、学術的、教養書のような内容のものが目立ちます。
いまいちなMBAの授業、とでもいったらよいでしょうか。それも、紹介事例はほとんどが有名企業です。
もともと認知度が高く、予算もある会社。
そんなケーススタディを学んだところで、自社に援用できるノウハウはそれほど多くはないでしょう。
なんのためにブランディングをするのか
中小製造業にとって、ムダなことに時間をかけている余裕はありません。
ブランディングとは、ずばり売上をつくるためのもの、すぐれた人材を採用するためのものです。
製造業の場合、それがそのまま社会貢献になります。
よい製品を開発し、より多くのユーザーの手に渡るようにする。
それが暮らしを便利にし、社会を変革し、時代をまた一歩、先へと進める。
「よい製品を開発した企業は、それを売る資格があるのではなく、売り広める義務があるのだと思ってください」と、いつもセミナーでお話をさせていただいています。
製造業とは、そうした性質の仕事です。
だから、あなたの事業にとってブランディングとは、経営戦略そのものです。
ブランディングは予算を投入さえすれば実現するか
かけたコストに応じてブランディングが成立するなら、私たち零細企業に勝機はありません。
ところが、ひらめきやとんちを出しさえすれば、体力のあるはずの大手や中堅企業にも勝てるのです。
瞬間風速でもいい。その体感こそが、この仕事に携わっている意義ではないかと思います。
判官びいきのある、この国で。
おカネをかけた広告や、ヘタなマーケティング調査なんかより、地に足のついた、というか地面を這っていくような具体的な施策で実現していくブランディングを次回から書いていきたいと思いますので、一緒に考えていきましょう。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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