キャッチコピーの極意 〜お悩み5

キャッチコピーの極意 〜お悩み5

日本でいちばん多くの回数、キャッチコピーセミナー講師を務めております弓削がお送りする、キャッチコピーの疑問・お悩みに答えていくシリーズの第5回目。
今回は、薬事法にかかわるキャッチコピーの疑問について、取り上げさせていただきます。

 

医療機器や医薬部外品、化粧品、健康食品のマーケティングをしていますと、つねに薬事法(医薬品医療機器等法に改名)を意識することになります。

生活者を守るために非常に厳しく法規制されており、たとえば医薬品ですら「治ります」とはいえません。

ただし、医薬品ですから何らかの薬効は認められているわけです。だから「(痛みに)効きます!」という言い方になるわけですね。

これが健康食品のような「食品」、化粧水のような「化粧品類」となりますと、ほとんどのことは効能として書くことができません。

 

たとえば化粧品類で「美白」という言葉を使うとしますと、この前提が「肌に浸透した美白成分が内側から透明感を育み…」ということだと違反になります。

正しくは「白い白粉(おしろい)を塗りたくるから肌が白く見える」という前提になります。

新聞広告などの場合は新聞社のチェックが入りますから事前審査があるようなものですが、ウェブやチラシは歯止めがありませんから言いたい放題になります。

そして、ときどき起きる誇大表現や健康被害によって、さらに規制は強化される方向に進むわけです。

このような状況ですから、あるていどの臨床試験的な裏付けがあっても、キャッチコピーには書けません。

さぁ、そこでどうするか。以前にも投稿しましたが、ご質問が多いので、改めて書きます。

ただ、行政機関の判断はいろいろありますので、この記事を絶対だと信用はなさらないでくださいね。

 

(1)お客様の声で察してもらう

いわゆる「個人の感想です」というやつですね。

これは、「長年の腰痛がなくなったんです」「スッキリ治りました!」と直接的な表現ではない書き方がよいでしょう。

「思わず鏡の前で叫びました!」

「最近、元気そうねって言われるんです」

「やっと一生モノの○○、見つけました!」

あくまで個人の感想であり、具体的な内容には触れない。しかし、インパクトがあったのだな、と忖度される表現です。

 

(2)間接的・抽象的に表現する

「50歳を超えても、ハリのある生活を送りたいなら!」

「ニンニク、黒酢、いろいろ試したけれどもダメだったら…」

「朝から絶調子、若々しく見られますよ」
「張りのある肌」とは言っていません。黒酢より効く、とも言わないのです。

だから何? という反応もあるかもしれませんが、使用後の生活変化がなんとなく伝わります。

 

(3)ターゲットを表示する

微妙ですが、改善をめざす状態を書いてしまう。

たとえば、「脂っこい食事が好みの人に」「生活習慣病予防にも」などのようにターゲットを言ってしまう語り方です。

「一杯のお茶で脳卒中を予防できたらいいと思いませんか?」

上のキャッチコピーも実際にあった事例ですが、疾病・症状や特定部位を出すことは厳密にはアウト。
「血圧が高めの方」などはグレー。

ついやってしまいがちなので注意が必要です。

 

(4)トクホまたはゆるトクを取得する

これはキャッチコピーの手法ではありませんが、大手企業しか取得・維持できないと評判が悪かった[特定保健食品]、[栄養機能食品]に加え、いまは[機能性表示]、[健康な食事]という制度もあります。

これは、臨床データや論文などの提示とともに届け出ることでパッケージや広告に表示ができるもの。

それほどの時間やコストはかかりませんので、健康食品を製造しているなら中小企業でも検討が可能です。

 

以上です。

さて、ここまで、キャッチコピーセミナーでよくご質問としていただくお悩み、疑問についてお答えする記事を書いてきました。

今後は、キャッチコピーにまつわる新シリーズとして、キャッチコピーの書き方パターン集をお届けしたいと考えております。

その他、このコラムで取り上げて欲しいご希望がありましたら、お気軽にお寄せください。

 

 

本コラムは、ものづくりの現場での気づきや日々の雑感、製造業のマーケティングや販路開拓に関するノウハウなどをお伝えするものです。 お気づきのことやご質問、ご要望などがありましたら、お気軽にメッセージをお寄せください。

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