オンライン展示会へ、また来場
オンライン展示会の“来場”レポート、また追加します。
私も毎年、リアルで来場している「メッセナゴヤ」です。
メッセナゴヤ2020は、11月16日(月)から12月11日(金)の会期で開催されます。
最初に気づいたのは、来場者に「マイページ」があること。
ここには、登録属性から「AIマッチング」による判断で、オススメの企業リストが%つきで表示されます。
こりゃ、新しい!
(追記;このシステムは新規導入ではなく今年で3回目だそうです。気がつきませず、すみませんでした)
マッチング結果がズレていると感じたなら、「AIマッチング条件」を編集することもできます。
これは出展者へのアドバイスですが、この編集ページに掲載されているキーワードを意識して企業ページの説明文を書き換えると、オススメリストに表示されやすくなりますよ。
さて、マイページには「お気に入りの出展者」「メッセージ」「オンライン名刺交換」などのログが残るほか、「課題の掲示板」もあります。
これは、ビジネス交流を促進するための掲示板で、出展者が課題を書き込んでいます。たとえば、「〇〇のメーカーを探しています」「〇〇の販売協力店を探しいます」「〇〇の新たな用途はありますか?」のようなメッセージが見られます。
これも素晴らしいですね。
オンライン展示会というキッカケがあってこそのアイデアです。
総合展や主催者が公共の展示会の場合、出展者同士でビジネスが成立する、という案件は少なくありません。
しかし、それもどちらかがブースを訪問して声をかける、という行動が必要です。
これは、奥ゆかしい日本人、とくにものづくりに価値を見出している人たちにとってはむずかしいことだったりします。
偶然に左右される部分も大きいでしょう。
ところが、この課題の掲示板なら、ちょっと書き込んだり、サラッと閲覧したりすればよいのです。
とってもハードルが低いと言えます。
このシステム、ぜひ今後のオンライン展示会にも採用して欲しいですね。
そのときは、ぜひメッセナゴヤの主催者様にひと声かけてあげてくださいね。
さて、各社のバーチャルブースのページです。
下部には「おすすめ出展者」が4社ほど表示されます。
これも、訪れた会社の傾向からAIが判断しているのでしょう。
掲載内容は、基本情報は文章なのですが、製品の紹介では、まずスライドによる“プレゼン”形式が採用されています。
数枚のスライドを送りながら、右サイドに置かれた文章も読む、というスタイルですね。これはけっこうわかりやすいかも。
さらには、動画が最大限活用されている印象です。
もちろん、出展者によって表現のばらつきはあり、スライドも動画もなく静止画と説明文のみという会社も多数あります。
画像や図解の持つ伝達力は少なくありませんが、かつてに比べると長文が読まれない傾向はさらに進み、一方で「動画を見てサッと理解したい」というニーズはますます大きくなっていると実感します。
とくに説明がややフクザツになりがちな製品を届けている会社さんにとって、動画を活用することはさけて通れないでしょうね。
各社ページ下部には会社案内やカタログデータをダウンロードできるアイコンが並んでいます。
ただ、これらのアイコンがすべて一律で[PDFマーク](アクロバット)なので、入手モチベーションがそそられません。
ここは、カタログなどの表紙アイコンを表示してあげて欲しかったですね。
次は検索につきまして。
たとえば「自動車」で検索をしますと、さすがトヨタのお膝元、121社もの検索結果が表示されます。
オンライン展示会では検索対策がとても重要ですが、検索する側の来場者もしっかりと心の準備ができたうえで検索に臨むわけでもありません。
ですので、検索対策をおこなう際は、直感的なキーワードを意識することが必要だと思っています。
たとえば、次のような項目です。
■業種・分野(金属加工、化学、食品…)
■技術(放電加工、鋳造、機能性表示食品…)
■課題(コストダウン、自動運転、食品アレルギー…)
■加工素材名(発砲樹脂、チタン、ペクチン…)
■完成品(消臭剤、小水力発電機、惣菜…)
このとき、それぞれのオンライン展示会でどのような検索スタイルを採用しているのかを「出展者マニュアル」などで把握したうえで対応することをオススメします。
(例を挙げますと、「フリーワード検索」だけなのか、「業種」「分野」ほかをプルダウンメニューで選ぶのか、などですね)
メッセナゴヤ2020オンラインの評価は
ということで、総評です。
静的なバーチャルブースではあるのですが、とにかく画像を活用しようという取り組みはよかったと思います。
そして、何より特筆させていただきたいのは、「課題の掲示板」ですね。
オンライン展示会のよさを見せてもらった思いです。
また、来場者マイページの導入やAIマッチングなど、野心的な取り組みも見逃せません。
主催者は愛知県、名古屋市、名古屋商工会議所など公共系ですが、直接のご担当者のやる気が叩き出した成果だと思います。
こうした展示会をテコにして、出展する中小企業の販路開拓に結びつけていくにはどうすればよいか、を真剣に考えてくれたことは間違いないでしょう。
製造業のマーケティングコンサルタント、弓削 徹(ゆげ とおる)でした。
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